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日本から始まったメシマコブの研究
1968年の日本でメシマコブの抗ガン作用に関するデーターを世界に先駆け最初に発表したのは、国立がんセンターの研究グループでした。1960年代は、アメリカを始めとしてガン撲滅のための有用な食品や材料を探索する動きが世界で広がり、日本でもガンによって低下した人間の免疫能力を回復するキノコの研究が数多くおこなわれていました。
そもそも日本は、キノコの種類が豊富な国で、約2000種ものキノコが知られており、食用とされるものでも約300種もあります。さらに薬用として古くから注目されてきたものも数多くあり、そういった地域的な事情も手助けし、キノコから生成される抗菌物質や抗カビ物質の研究は古くからおこなわれてきました。とくに一部のキノコから得られる物質に抗ガン性が認められてからは、キノコが持つ抗ガン物質に関する研究が、一躍脚光を浴びることになりました。キノコを大きく分けると、担子菌類と子曩菌類などとなります。担子菌類とはシイタケやマツタケなど傘のあるキノコで、子曩菌類は傘のないキノコです。ガン研究で注目を浴びるようになったキノコの多くは、担子菌類でした。
十数類のキノコの中で圧倒的な腫瘍阻止率を示すメシマコブ
国立ガンセンターの研究グループは、ガン細胞のひとつであるサルコーマ180を皮下移植したマウスに、それらのキノコの熱水抽出エキスを注射し、ガンの増殖がどれぐらい抑えられるのかを調べました。この研究で実験対象に選ばれたものは、古くから漢方薬として伝承されたものを始め、十数種の担子菌類でその内訳は、マツタケ、ナメコ、エノキタケ、シイタケ、カワラタケ、ヒラタケ、カンタケ、チャカイガラタケ、アテゲカワラタケ、コフキサルノコシカケ、オオチリメンタケ、ウスバシハイタケ、オオシロタケ、ベッコウタケ、キクラゲ、そしてメシマコブだったのです。
この実験に使われたキノコのうち、カワラタケからはクレスチン(PSK)シイタケからはレンチナンといった抗ガン剤が製造されました。腫瘍阻止率を比較してみると、カワラタケは77.5%、シイタケは80.7%です。これらの腫瘍阻止率とメシマコブの腫瘍阻止率96.7%%比較すれば、メシマコブのほうがはるかに高い数値を示しています。
この実験を見ると、メシマコブを使用した医薬品が開発されていないのが不思議に思われますが、2つの理由から、医薬品の開発を諦めざるを得なかったのです。一つは、メシマコブの採取、栽培が難しかったことです。メシマコブは桑の木に寄生して成長します。桑の木の成長を妨げてしまうので、見付け次第、伐採されてしまい、採集する事が難しいのと、成長速度が遅く、原料として使用可能な大きさになるまでには20~30年を要するため、栽培も難しかったのです。このように当時から大変珍しいキノコであったため、メシマコブについての研究自体がなかなか進まなかった事が理由の一つです。もう一つは、メシマコブには様々な成分が含まれているため、厚生省が定める医薬品としての指針から外れてしまい、医薬品として認可が下りるのは難しいだろうと言う判断があったためです。このような理由から、その後日本ではメシマコブの研究が衰退してしまいました。
メシマ ® はキノコの一種であるメシマコブから誘導された菌糸体(Phellinus linteus Yoo (HKSY PL2,PL5)を培養して得た たんぱく多糖体の抗癌性のある免疫増強する調整剤である。1976年日本の国立研究センター所屬、千原博士グル-プの研究によって、メシマコブの抽出物が sarcoma180成長を強く抑制するという事が証明された。(GANN, 59卷 p155-157) 下記の表は上記の記録デ-タであるがここで見られるようにマウスに sarcoma 180腫瘍を移植した後、27種のキノコの熱湯抽出物を腹腔內投与し、腫瘍の成長阻止率を調査した。その結果、メシマコブ(Phellinus linteus)熱湯抽出物が 96.7%で、他キノコ類に比べ驚くべき抑制効果を見た記述である。
韓国の国家プロジェクトで開発された メシマ ® の製剤
こうして日本では次第に注目されなくなったメシマコブが、再び脚光を浴びる事になります。それは、韓国新薬から、メシマコブを使用した医薬品メシマ ® が開発されたからです。
韓国ではメシマコブの研究が続けられていました。 韓国では1984年から韓国科学技術省の主導で、大学や研究所
製薬会社が国家プロジェクトとしてメシマコブの研究開発に取り組むことになりました。
このプロジェクトの中で韓国生命工学研究所のユウ・イックトン博士と韓国新薬のユウ・ゼクック博士の共同研究で活性の高いメシマコブの菌株の特定とその培養に成功しました。また、韓国新薬はこの菌株を人工的に大量培養する技術を確立しました。この菌株はユウ・イックトン博士、韓国新薬のユウ・ゼクック博士、韓国新薬の名前を取ってPhellinus Linteus Yoo (HKSY -PL2)と名付けられました。この功績によりユ ウ・イットン博士とユウ・ゼクック博士はIR52Jangyongsil賞を共同で受賞しました。また韓国新薬は1998年に韓国のノーベル賞と言われる茶山賞を受賞しました。
韓国新薬はこの菌株 「Phellinus linteus Yoo (HKSY-PL2, PL5))を使用し、医薬品を開発しました。それがメシマ ® です。この菌株は韓国新薬オリジナルの菌株として保持されており、医薬品メシマ ® を製造する際はこの「 Phellinus linteus Yoo (HKSY-PL2, PL5)」のみを使用しています。
1993年10月に、このメシマ ®
は韓国政府から正式に抗ガン免疫増強剤として医薬品の認可を受け、現在、韓国の大学病院など多くの医療機関でガン治療に用いられています。この功績により、メシマ
® は優れた製品に対して与えられる科学技術
KT賞を受賞し、1998年9月には韓国のノーベル賞といわれる茶山賞を個人と団体の両部門で受賞しています。個人で受賞したのは、韓国生命工学研究院の兪益東(ユウ・イックトン)博士、団体で受賞したのは韓国新薬でした。また、1999年7月には韓国科学技術部長官賞であるIR52(蒋英實賞)の研究者賞を、韓国生命工学研究院の兪益東博士と韓国新薬慈光研究所長の洪南斗博士が受賞、企業賞を韓国新薬が受賞しました。また、2002年に科学技術省からメシマ
® が科学優秀製品10品目に選定されました。
日本のARISU は上記の Phellinus Liteus Yoo (HKSY-PL2)を 使用しています。
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